腸内環境は日々の食事や生活習慣が乱れると悪化してしまいます。逆に腸内環境を整えることで、健康や美容を維持できることはもちろん、ダイエット効果も期待できます。
そこで、腸内環境を整えるのにおすすめしたいのが、お酢です。ここでは、お酢の整腸作用や腸内環境を整えるメリットなどをくわしく解説します。
お酢の整腸作用
お酢には腸内環境を良くするための嬉しいはたらきがたくさんあります。
抗菌作用で腸内の悪玉菌を減少、善玉菌が活発化
人間の腸のなかには、1,000種以上、100兆個以上のいろいろな細菌が生息しています。さまざまな細菌がバランスをとりながら生息して腸の環境を保っているのです。
腸に生息する細菌は大きく分けると3種類あります。
- 善玉菌・・・腸の働きの活発化、便秘・下痢の予防、抵抗力を高める
- 悪玉菌・・・便秘・下痢を引き起こす、炎症や体調不良の原因
- 日和見菌・・・ふだんは何もしないおとなしい菌、悪玉菌の数が増えると悪い作用を引き起こす
理想的なバランスは【善玉菌20%:悪玉菌10%:日和見菌70%】といわれています。悪玉菌が増えすぎると、腸内環境が乱れてしまい腸や体にトラブルが起こることも。
そこでお酢の出番です。お酢には抗菌作用があり、腸のなかに増えすぎた悪玉菌を減らすはたらきがあります。また、お酢には善玉菌のエサとなるグルコン酸が豊富。お酢を飲むと善玉菌の数が増え、働きが活発化します。
つまりお酢を飲むことで、腸内の細菌バランスを整えることができるというわけです。
腸の血行改善
お酢には血行促進の効果も期待できます。中医学(中国の伝統医学)では、古くからお酢の血行促進効果に注目しており、血流を増やす食材とお酢をあわせることで体の血の巡りを改善する考えが主流となっています。
体が冷えやすくお腹が痛くなりやすい、お腹周りがいつも冷たい人にお酢はおすすめです。もちろん、腸だけでなく体全体の血行改善ができるので冷えによる肩こりや腰痛、体調不良にお悩みの人にも効果が期待できます。
腸のぜん動運動が活性化し消化・吸収・排泄をスムーズに
お酢を飲むと腸の善玉菌が増殖、働きが活性化し腸の血行が改善します。すると、腸全体のぜん動運動が活発化するので、消化や吸収、排泄までの流れがスムーズにおこなわれて腸の機能が整います。
排泄が滞りなくすすむことで、体のむくみや便秘、お腹が張るトラブルも改善できます。
腸内環境を整えるメリット
腸が整うと私たちの体にメリットがたくさんあります。
栄養が吸収しやすくなる
腸内の環境が整えば、バランスよく栄養を吸収できます。逆をいえば、腸内環境が悪化している状態だと、どれだけ体にいい栄養をとりいれても吸収が悪いということです。
健康や美容、ダイエットのために栄養のあるものやサプリを摂取している人は少なくないかと思います。効率的に栄養を吸収するためにも、まずは腸内環境を整えることが大切です。
腸内環境が良好であれば、吸収が適切におこなわれ取り入れた栄養素を最大限に体に届けることができます。
免疫力が上がる
私たちの体には、外部から侵入した病原菌の攻撃から体を守るために免疫が備わっています。
そして、この免疫と腸内環境は大きく関係しているんです。腸には全身の約7割の免疫細胞が集まっています。
腸内環境が乱れると免疫力が大幅に低下し、感染症や病気にかかりやすくなります。逆に、腸内環境が良好だと免疫力が上がり、体に起こるトラブルを回避しやすなります。病原菌から自分を守るためには、腸内環境を整えることは必要不可欠です。
便秘解消
腸内に便が長い間たまってしまった便秘状態は、さらに腸内環境を悪化させます。たまった便がエサとなりさらに悪玉菌が増えてしまうのです。悪玉菌の増殖は、おならの原因となるガスの発生や発がん性物質などの有害な物質を発生させる要因となります。
腸内環境が整えば排泄までの流れがスムーズにおこなわれるので、便秘を解消できます。便がしっかり排出される体になれば、便秘だけでなくむくみの改善や肌荒れなどの改善も期待できます。
自律神経が整う
自律神経は、心と体のバランスを保つとても大切な神経です。そんな自律神経と腸はお互いが影響しあう密接な関係があります。私たちの体は腸が整っていると自律神経も整い、自律神経が整うと腸の働きも整うようにできています。
例えば、緊張でお腹が痛くなった経験はありませんか?これはストレスによって自律神経が乱れたことが腸の働きにも影響しているからです。逆に、腸の不調がイライラにつながることもあります。
また、セロトニンやドーパミンなどの幸せホルモンとよばれる神経伝達物質を作っているのも腸です。腸が整えば安定した気持ちで日常を過ごすことができます。
痩せやすい体づくり
腸は、代謝機能にも大きく影響を与えます。腸のはたらきが落ちると肝臓への負担がかかり、代謝機能が低下してしまいます。代謝が落ちることで糖や脂肪のエネルギー変換がうまくいかず、痩せづらい体になってしまうのです。
腸内環境を整え、腸の働きを良好に維持することは痩せやすい体づくりにかかせません。
お酢はこんな人に飲んで欲しい!
お酢には整腸作用があり、乱れた腸内環境を整えるはたらきがあります。腸が整えば健康や美容の維持、ダイエット、自律神経の安定などに幅広く活躍してくれます。
だからこそ、こんな人にお酢はおすすめです。
- 便秘がちな人
- 食欲不振の人
- 手軽にダイエットをしたい人
- 体に疲れがたまりやすい人
- 健康志向の人
- ストレスがたまりがちな人
あてはまる人は、お酢を飲むことで体や心の不調改善に役立つはずです。
酸っぱいお酢を毎日飲むことに抵抗がある人もいるかもしれませんが、実はお酢を毎日飲むことは意外と簡単で継続しやすいです。次でお酢のとり方・飲み方を解説します。
お酢のとり方・飲み方
酸っぱいイメージが強いお酢ですが、手軽に日常生活に取り入れることができます。お酢さえあれば、今日からでもお酢生活をはじめられます。
1日に飲むお酢の量は大さじ1杯(15ml)を目安としてください。お酢の整腸作用は、原液で飲む必要はなく水で割って薄めても同じ効果が得られます。
普段のお料理に利用する場合は、大さじ1杯程度のお酢を調味料として使います。オリーブオイルと合わせてドレッシングにしたり、野菜の酢漬けを作ったり、中華スープにくわえるなどひと工夫することで毎日の食事に取り入れることができます。
料理にお酢を入れるのが大変な人は、ジュース感覚で飲料としてお酢を飲みましょう。お酢を原液で飲むと胃に負担がかかるので、水や炭酸水、ジュース割がおすすめです。お酢大さじ1杯を薄めて飲んでみてください。
最近はドリンクとして飲むタイプのお酢がたくさん登場しています。水や炭酸水割りをすれば、ジュースのようにおいしく飲むことができます。薄める場合は、各お酢メーカーのおすすめする配合で割るようにしてください。
まとめ
お酢は、私たちの腸内環境を整えてくれる救世主です。腸内環境が改善すれば、健康や美容トラブルの解決にもつながります。
お酢は1日大さじ1杯程度を飲むだけなので、誰でも手軽に始めることができ、習慣化しやすいのが特徴です。お酢を飲んで腸内環境を整え、心身ともに健康な生活をおくりましょう。