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お酢に殺菌効果があるのはなぜ?野菜やご飯・掃除への使い方も徹底解説。

健康・美容にいいと注目されているお酢。
人気の裏には、お酢がもつ強い殺菌効果も関係しています。

この記事ではお酢がもつ殺菌効果や、日常生活への取り入れ方をご紹介します。また、なぜお酢には殺菌効果があるのか、その理由についても解説していきます。ご飯・野菜への使い方、除菌スプレーの作り方など具体的なお酢の使用方法もご紹介しているので、お酢で除菌を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

お酢の殺菌効果とその理由

お酢はサルモネラ菌・大腸菌を殺菌できる

日本人になじみ深い調味料の「お酢」。その健康効果から、近年は調味料としてだけじゃなく「飲むお酢」としても人気ですよね。そんなお酢には、強力な殺菌効果があります。具体的に挙げると、下痢や嘔吐などを引き起こす「サルモネラ菌」や、O157の原因である「大腸菌」にも効果があるのです。

食品に使用すれば「防腐効果」も期待できる

お酢には「防腐効果」も期待できます。防腐効果とは「微生物の侵入や増殖を防ぎ、腐敗・発酵から守る効果」のこと。とくに夏場は高温多湿の日がつづくため、細菌による食中毒が増える傾向にあります。お酢を使って上手に予防できるといいですね。

殺菌・防腐効果がある理由は「酢酸」

なぜお酢には「殺菌・防腐効果」があるのでしょうか?

理由はお酢に含まれる「酢酸(さくさん)」にあります。
酢酸にはpHを下げる効果があるのですが、細菌はpHが低いと生きていけません。酢酸を使用することでpHが下がり、細菌が育たない環境を作ってくれるので「殺菌・防腐効果」が期待できるのです。

その優れた殺菌作用により、歴史的には大航海時代にビタミンC欠乏を防ぐために野菜のお酢漬けを船に乗せて腐敗を防いだり、農薬の代わりに酢酸が使用されたりしていました。お酢は腐敗や病原菌を防ぐための身近な存在だったのです。

お酢の効果による裏技:食品編

野菜をお酢で洗う「酢洗い」がオススメ

生野菜を水洗いですませるのは不安、という方も多いのではないでしょうか。
そんなときはお酢を使った「酢洗い」がオススメです。

生でも食べる生鮮野菜は、加熱食品と比べて微生物によるリスクが高い傾向にあります。

汚れや微生物をしっかりと落としたい方は、お酢と水を「1:3」で割ったもので野菜を洗いましょう。大きめのボールにいれた酢水(すみず)に野菜をつければ、中に潜んでいる虫も取り除けますよ。生野菜により食中毒を発症したという例もあるので、不安な方はぜひ「酢洗い」を試してみて下さい。

ご飯にお酢を使って食中毒対策

お酢をご飯に混ぜることで食中毒の対策もできます。
とくに夏場などの高温多湿の時期は、お弁当による食中毒が心配ですよね。

そんなときは、白ご飯150gに小さじ1/2のお酢を加えましょう。
よく混ぜてお酢を馴染ませることで、殺菌効果を期待できます。

お酢の酸味が気になる方もいるでしょうが、お酢の量は全体の2%ほどなので味自体に大きな変化はありません。それでも気になる方は、ご飯を炊くときにお米1合あたり大さじ1杯のお酢を入れて炊いてみて下さい。酢酸は熱に強いので成分が壊れず、お米がふっくら炊き上がるという嬉しい効果もプラスされます。

おかずのスペースも気になる場合は、料理をつめる前にお弁当箱をお酢で拭きましょう。やり方は簡単で、お酢を含ませたキッチンペーパーでお弁当箱の底・側面をなでるだけ。拭いたあとは雑菌を寄せ付けないよう、素手で触らないように注意してくださいね。

お酢の効果による裏技:掃除編

お酢に水をくわえれば「除菌スプレー」に

キッチン周りやトイレのニオイが気になる方には、お酢を使った「除菌スプレー」がオススメです。
特にキッチン周りは、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭は強力な洗剤を使いたくない方も多いはず。

手順は簡単で、お酢と水を1:1で混ぜるだけ。
スプレーボトルに入れて気になる所にふりかければ、雑菌の繁殖が抑えられ、嫌なニオイも気にならなくなりますよ。

消臭剤があるから大丈夫、と思っている方は要注意です!

消臭剤を使用すれば確かにニオイはなくなりますが、それは新しいニオイを上書きしただけです。根本から解決するには、ニオイの元となる雑菌を除去する必要があるので、お酢の除菌スプレーをぜひ試してみてください。

お酢は焦げ落としにも効果的

お酢は鍋の焦げ落としにも効果的なんです。

鍋の焦げ落としには「重曹(じゅうそう)」が効果的だと言われていますが、アルミ鍋の場合は相性が悪く黒ずみの原因になります。そこで登場するのが、クエン酸を多く含む「お酢」です。

焦げをすっぽりと覆うほどの水を張り、大さじ3ほどのお酢を入れましょう。火にかけて沸騰させ、そのまま10分ほど煮ます。そうすることで焦げが浮いてくるので、あとはスポンジで軽くこするだけで焦げをキレイに取り除けますよ。ホーローのお鍋などあまり強くこすりたくない素材にも効果的です。

焦げがひどくなかなか落ちない場合は、お酢を入れるときに同量の食器用洗剤を入れてみましょう。

衣類の汗染みは希釈したお酢で落ちる!

衣類に付着した「汗染み」や「コーヒーの染み」も、お酢で落ちる可能性があるんです。

お酢には汚れを浮かせて剥がす「浸透・剥離効果」が期待できます。
まずは汚れた衣類とお酢・水・綺麗なタオルを用意しましょう。

お酢に倍量の水をくわえたものをタオルに染み込ませ、気になる箇所をポンポンと叩くだけ。ここでゴシゴシと擦ると、余計に染みが浸透するので注意してください。染みが落ちたら、いつもの手順で洗濯しましょう。綺麗になったからといって洗濯しないでいると、お酢により変色することもあるので、洗濯してしっかりお酢を落として下さい。

生ゴミにふきかければニオイが消える

夏場、とくに気になるのが生ゴミのニオイですよね。
厳重に袋を縛っていても、プーンと嫌なニオイが漂ってきます。

そんなときはお酢を使ってニオイを抑えましょう。

まずお酢と水を1:1で割り、酢水を作ります。生ゴミをいれる袋の底にキッチンペーパーを敷き、酢水を染み込ませてください。そのなかに生ゴミを入れるだけで、お酢の効果によりニオイが軽減されますよ。

大袋にまとめて生ゴミをつめるのではなく、酢水を浸した小袋をいくつも用意し、最後に大袋にまとめるとさらに効果的です。

お酢を使えば電子レンジの掃除も楽チン

ついつい後回しにしてしまう電子レンジの掃除も、お酢を使えば簡単にできます。
食品を入れる電子レンジもあまり強力な洗剤は使いたくないですよね。

やり方はお酢と水を1:4の割合で混ぜたものをレンジに入れるだけ。

ラップをせずに2分半温め、あとは1時間ほど放置しましょう。
1時間後に電子レンジの中をみると、お酢を含んだ水蒸気で庫内が濡れている状態です。その水分を使って、タオルなどで汚れをふき取ります。

お酢に含まれる「酢酸」の効果により、汚れが綺麗サッパリなくなりますよ。また、お酢がもつ殺菌・消臭効果も期待できるので、まさに一石二鳥です。

お酢の効果による裏ワザ:番外編

足のニオイはお酢で改善することもある

男女限らず、時期によっては足のニオイが気になりますよね。
足のニオイ対策にもお酢は効果的なんです。

足のニオイは汗により繁殖した「雑菌」が原因。お酢を加えたお湯に足をつけて、雑菌を除去しましょう。

洗面器にお湯を張ってコップ1杯のお酢を入れるだけですので、自宅で簡単に試せます。ニオイがとくに気になる方は、15~20分ほど足を付けておくと良いですね。お酢の効果により除菌できるたけでなく、雑菌が繁殖しにくい環境を作ってくれますよ。

お酢には生花を長持ちさせる効果も

お酢には生花を長持ちさせる効果もあります。
お花にとって大事なのは、新鮮な水を吸い続けること。

しかし、水面に虫・ほこりが入ることで、水のなかには徐々に細菌が増えていってしまいます。その結果としてお花の命が短くなってしまうのです。お酢を使って生花を長持ちさせるには、花瓶の水に小さじ1ほどのお酢を加えるだけ。入れすぎるとお酢の酸に生花が耐えられず、かえって枯れる原因になるので注意しましょう。

また、水に入れるのではなく、茎の部分をお酢でコーティングする方法もあります。水に活ける前に1:1で割った酢水へと茎をつけます。お酢の濃度が高いため、時間は30秒ほどに留めましょう。あとはいつも通り花瓶に飾るだけで、茎についた酢水が広がり新鮮な水を維持してくれますよ。

お酢で殺菌するときの注意点

使用用途によっては変色することも

お米や野菜などの食品に、そしてお掃除にも使えるお酢。
強い殺菌効果があるお酢ですが、使用する場所によっては変色や劣化の危険があります。

たとえば調理道具についたサビを落とすはずが、素材自体の質が変わったという話があります。また、大理石の床をお酢で磨いたら、酸により素材が溶けて変色したという話も。

お掃除の強い味方ではあるものの、適していない素材もあると覚えておきましょう。

お酢の力を過信しすぎると危険

お酢の殺菌効果には食中毒予防が期待できますが、過信しすぎるのは危険です。
お酢を使用しているからといって、必ず食中毒を予防できるわけではありません。また、その日の気温や湿度、お弁当の保管方法によっても異なるでしょう。

お酢に頼りきるのではなく食材にしっかりと火を通したり、保冷剤を使ったりすることも大切ですよ。

お酢を使って手軽に殺菌!

お酢は健康・美容にいいだけでなく、強い殺菌効果も期待できます。本来口にするものだからこそ、食品にも安心して使えますよね。面倒でなかなか手が出せない電子レンジの掃除や、鍋の焦げ落としにも有効です。

ただ、対象の素材によっては質の変化や、変色の危険も。お酢を正しく使って、手軽に殺菌生活ができるといいですね。

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