体に良い調味料として知られる「お酢」
料理に使うのはもちろん、美容や健康のために飲むタイプのお酢も数多く販売されています。
そんなお酢が、実は二日酔いに効果的だと言われているのをご存知でしょうか?
お酒を飲みすぎた時になぜお酢が良いと言われているのか、お酢がどのように作用するのかを詳しく見てみましょう。
また、お酢の酸味が苦手…という方や、二日酔いで気分が悪い時にお酢はきついという方に向けて、お酢を摂りやすくなる「フルーツビネガー」の作り方もご紹介します。
二日酔いはなぜ起こる?
お酒を飲むと、アルコールは胃や小腸から吸収されて血液をめぐります。
アルコールが肝臓へ運ばれて分解されると「アセトアルデヒド」という物質に変わります。このアセトアルデヒドは頭痛や吐き気など、いわゆる「二日酔い」の状態を引き起こす有害物質です。
通常であれば、アセトアルデヒドは肝臓の中でさらに「酢酸(アセテート)」へと分解されますが、お酒を飲みすぎて肝臓がアセトアルデヒドを分解しきれなくなる場合があります。
つまり、二日酔いは、体にとって有害なアセトアルデヒドを肝臓が分解しきれないことで起こる症状です。
二日酔いの時にお酢が良いワケ
では、なぜお酢が二日酔いに良いとされているのでしょうか?
お酢がアルコールに対してどのような効果があるのかを、ひとつずつ見てみましょう。
その1・アルコールの吸収を遅らせる効果
お酢を摂ると、アルコールの吸収スピードを遅くできるため、二日酔いを防ぐ効果が期待できます。
アルコールが胃や小腸から吸収されるのを遅くできれば、肝臓へ運ばれるアルコール量を抑えられます。
アルコール吸収がゆるやかになるため、アセトアルデヒドを分解する肝臓の負担が減って、二日酔いになりにくくなるというわけです。
お酢を摂るタイミングは、お酒を飲む前もしくは飲んでいる最中がおすすめです。
もちろんお酢を飲んだから二日酔いにはならない、たくさんお酒を飲んでも大丈夫ということではないため、飲みすぎには注意しましょう。
参考:https://www.reliance-cosmos.co.jp/cms2018/wp-content/uploads/2014/06/pdf_9.pdf
その2・酢酸菌の酵素がアルコールを分解
お酢の主成分・酢酸(さくさん)を作る働きを持つ「酢酸菌」は、アルコールを分解する力を持っているため、二日酔い予防に効果があると言われています。もともとお酢は、お酒(アルコール)に酢酸菌を加えて発酵させて作るため、酢酸菌はアルコールを分解する効果が高いことがわかっています。
お酒を飲む前もしくは飲んでいる最中にお酢を摂ると、アルコールの吸収がゆるやかになるだけでなく、飲んだアルコールを分解してくれる効果も期待できるため、二日酔い防止に効果的なのです。
実際に、酢酸菌研究会や日本食品科学工学会の調査によると、お酒を飲んだ時の肝機能が低下するのを防いだり、血中アルコール濃度を下げたりする効果が認められました。
参考:https://sakusankin-life.jp/alcoholcare.html
お酢を飲むタイミング、注意しておきたいことは?
二日酔いを防ぐためにお酢を摂るおすすめのタイミングは「お酒を飲む前」もしくは「お酒を飲んでいる最中」です。注意したいのが、二日酔いになった後にお酢を摂るのは避けた方が良いということです。
お酢には、胃酸分泌をうながして食欲を増進させる効果があります。
そのため、二日酔いで気分が悪いときにお酢を摂ると、胃酸分泌によって余計に気分が悪くなるのでおすすめできません。
二日酔いを和らげるどころか悪化させてしまう可能性があるため、お酢を摂るタイミングはあくまでもお酒を飲む前・飲んでいる最中にしましょう。
飲みやすいのは?おすすめのお酢の種類
お酢には、料理に使うものやそのまま飲めるものなどさまざまな種類があります。
よく家庭で目にするものとして「穀物酢」「黒酢」「米酢」などが挙げられますが、それぞれ用途が異なります。
ここからは、お酢の種類と二日酔い防止におすすめのお酢を見てみましょう。
料理用のお酢
- 穀物酢
- 純米酢
- 米酢
- 三杯酢
- ワインビネガー
一般的な「お酢」として料理に用いられているのが、米酢や穀物酢です。
価格も手ごろですが、酸味が強くそのまま飲むのは難しいお酢です。
もし飲む場合には水や炭酸水、牛乳などで5倍以上に薄めてからいただきます。
そのまま飲むと酸味が強く、のどや胃が荒れてしまうので気を付けましょう。
そのまま飲むためのお酢
- りんご酢
- 黒酢
- 玄米酢
米酢や穀物酢とは違い、料理用ではなくそのまま飲めるのが特徴のお酢です。
料理用ではなく、健康のために飲むものとして親しまれています。
料理用に比べて酸味がまろやかで栄養価が高く、おいしくいただけます。
二日酔い防止におすすめのお酢は?
二日酔い防止のために摂るお酢でおすすめなのは、そのままで飲みやすい「りんご酢」や「黒酢」がおすすめです。
これらのお酢はペットボトルや紙パックのドリンクタイプを手軽に購入できますが、より自分好みのお酢を摂ったり、お酢の効果を実感するために、自分でお酢ドリンクを作ってみるのはいかがでしょうか?
フルーツビネガーでお酢をおいしく摂ろう!
お酢の酸味や風味が苦手という方に向け、お酢をおいしくいただける「フルーツビネガー」の作り方や、アレンジレシピをご紹介します。
フルーツビネガーを作った後は、レシピ通りの分量ではなくても「おいしい」「飲みやすい」と感じる濃さに調整してからいただくのもポイントです。
フルーツビネガー
■材料
・フルーツ(オレンジ、りんご、など)…100g
・氷砂糖…200g
・リンゴ酢もしくは穀物酢…200ml
■作り方
1. フルーツを洗って水気をしっかりとり、皮をむいてから輪切りにする
2. 密閉できる瓶を用意し、下から「フルーツ」「氷砂糖」「お酢」の順番に入れてからしっかり蓋をする
3. 冷暗所に置いて、1日1回蓋を外さずに軽く振って混ぜる
4. 1週間後、フルーツを取り除いて完成
5. 炭酸水や牛乳などで5倍以上に薄めていただきます
※フルーツはヨーグルトのトッピングなどにしていただくのがおすすめです。酸味のあるフルーツを使うとお酢の酸味がやわらいでフルーティになり、飲みやすくなります。旬のフルーツを使えば栄養もたっぷりです。
引用:http://www3.mizkan.co.jp/sapari/menu/cook/recipe/index.html?id=268
引用:http://www3.mizkan.co.jp/sapari/menu/cook/recipe/index.html?id=1143
フルーツビネガーサワー
フルーツビネガーをお酒と炭酸水で割って、サワーにしていただくのもおすすめです。
さっぱりとした口当たりで、おいしくいただけるおすすめの飲み方です。
■材料
・フルーツビネガー
・焼酎、ワイン、ウォッカなどお好みのお酒
・炭酸水やトニックウォーターなどお好みの割り材
■作り方
1. フルーツビネガーとお好みのお酒を適量グラスに入れます。
2. 炭酸水やトニックウォーターなどお好みの割り材を入れていただきます。
※フルーツビネガー:お酒:割り材=1:2:8程度がおすすめです。お好みで濃さを調整してお楽しみ下さい。
フルーツビネガーのさっぱりサラダ
手作りしたフルーツビネガーを使って、お酒を飲む時にぴったりのおいしいおつまみを作ってみましょう。
■材料
・お好みのサラダ野菜(レタス、ベビーリーフ、ルッコラなど)
・ベーコン
・粗挽き黒コショウ
・オリーブオイル
・塩
・フルーツビネガー
■作り方
1. ベーコンは炒めておく
2. 塩、フルーツビネガー、オリーブオイルをあわせてドレッシングを作る
3. サラダ野菜とドレッシングを和え、ベーコンをトッピングして黒コショウをふりかけて完成です
その他、お好みの野菜を入れてボリュームアップさせると、メインおかずとしてもおすすめです。
まとめ
二日酔いを防ぐ効果があるお酢は、その他にも血圧を下げたり腸内環境を整えてくれたり、疲労回復効果も得られる万能調味料です。
ただ、独特の酸味があるためお酢が苦手という方は、自分が飲みやすいと感じる濃さにしていただくようにしましょう。二日酔い防止以外にも、健康や美容のためにお酢を摂り続けることをおすすめします。